art & dev

LABO TECH>art 一覧>Blender4.5で360度映像を作成する
Blender4.5で360度映像を作成する - Hero Image

Blender4.5で360度映像を作成する

2025-10-29 更新

Blender + eeVRで実現する360度VR映像制作


レンダリング地獄からの解放

VR制作の壁として、最も高いのはレンダリング時間です。
高精細な360度映像を作るには、最低でも4Kサイズ(3840×1920)の解像度が求められます。
Mayaや従来の高品質設定で4K画像を1枚レンダリングすると数十分から数時間かかっていたところを、BlenderのEEVEEレンダラーとeeVRアドオンの組み合わせが、その待ち時間を劇的に短縮することを可能にしました。
シーンの内容にもよりますが、この方法なら8Kサイズ(7680×3840)の画像でさえ約1〜2分でレンダリングが可能です。

eeVRの役割

通常、継ぎ目が目立ちやすい360度レンダリングですが、eeVRアドオンを使うと、「6つの視点」に分けて高速でレンダリングし、それを自動で完璧に結合(スティッチ)してくれます。
内容にもよりますが、8K画像1枚で約1~2分でレンダリングできます。
これにより、Cyclesのような高品質なレンダラーに比べて、圧倒的なスピードでVR映像を出力できます。

360度映像のレンダリング設定

Art Image

レンダープロパティのeeVRという項目から設定できます。
設定項目はシンプルで、VR Formatから360°か180°を設定します。
Front View Resolutionなどがデフォルトで90%になっていますが、100%でもあまり違いがわりませんでした。
その他Stitch Marginなどの項目がありますが、基本的に触ることはないと思います。

VRヘッドセットを装着した状態で3Dシーンの確認

標準アドオンの「VR Scene Inspection」を有効化し、VRヘッドセットをPCに接続してSteamVRなどの外部ソフトウェアを起動すれば、準備完了です。
Blenderの3DビューからVRセッションを開始すると、作成した3D環境に実際に入り込み、通常のPC画面では難しいオブジェクトの現実的なサイズや距離感を、VR特有の没入感をもって確認できます。
これは、レンダリング結果を待たずにVRヘッドセットでシーンの最終確認が行えるため、制作過程における試行錯誤の効率を飛躍的に高めます。

Art Image

レンダービューで見ると、レンダリングが追い付いていないので画面左に黒味が映ってしまいます。

Art Image

ソリッドビューで見るとほぼリアルタイムに近い状態でプレビューできます。